最近よく見聞きすることばに、確定拠出年金(イデコ)があります。
どこの金融機関にも、大きく個人型の確定拠出年金お勧めの案内が掲げてありますよね。
こういうのを見ると、わたしはバブルの頃を思い出してしまいます。
過ぎし日の財テクブーム
その昔、わたしは証券会社に勤務していました。
ちょうど財テクブームが始まって、主婦や学生も投資に興味を持つ人が急増していた頃です。
わたしの勤めていた会社でも、相場が始まると電話は鳴りっぱなし。
店頭で預かったお客さんのお金を片手に、電話応対をしながら、課長が早く早くとジェスチャーで促している書類を足技(?)で渡して、会計まで向かうという、なんとも凄まじい毎日を送っておりました。
もう忙しすぎて、疲れも怒りも通り越して、笑っていましたよ。(苦笑)
漫画の世界で描かれるようなことを自分がやっているのですから。
店頭では、毎日何百万もの現金をお客さんから預かっていました。
紙袋や風呂敷に、いくつも札束入れて持ってくるお客さんも多く見られました。
時おり学生さんらしき人が、「中国(ちゅうこく)ファンドに10万円お願いします」なんて持ってくると、笑顔の裏では「桁が違うだろう!」と思っていたりしてね。(苦笑)
その当時は、中国ファンド(中期国債ファンド)という商品が割と人気でしたね。
「中国(ちゅうこく)ファンドは~♪便利な貯蓄~♪お財布代りに出し入れできる~♪」なんてCMソングもありました。
あのCM流していた会社が、あれよあれよという間になくなってしまったときは、本当に信じられませんでした。
あんなに活気づいていた世の中が、バブルの後にはあっという間に散ってしまったのです。
確定拠出年金(イデコ)のうわさ
最近、「老後の暮らしは不安だから、いまから投資をしておこう」、「年金だけでは生きていけないから、国が勧めるイデコを早めに始めた方がいい」などと呼びかけている若い方のブログを見たりすると、思うことがあります。
「そんなに言い切ってお勧めしてもいいの?」と…。
イデコは確かに良い商品なのかもしれませんが、誰にでも当てはまる商品とは思いません。
50代のわたしたちが今から始めても、あまり得にはならない気もします。
イデコの宣伝文だけを見ると、誰でも気軽に始められて、節税にもなり、利回りも良いと思う人もいることでしょう。
わたしも最初はそう思いました。(苦笑)
でも、それなりに面倒な手続きがあったり、手数料もかかったりしますよね。
確定拠出年金制度自体が何なのか、よくわかっていない人も多いのではないかと思います。
わたしもイマイチよくわかっていません…。(汗)
よく確認してから始めないと、後で「なんかちょっと違う」ということにもなりかねません。
老後のためにと思ってはじめたものが、バルブのようなことが起こればまたどうなるかもわからないのです。
年金だけではホントに生きていけないのか
そもそも、老後ってそんなに何千万円もお金が必要なものなのでしょうか。
もしそれが本当なら、年金を受け取るころになって、何千万円もの貯蓄がない人は、一体どうやって暮らしていけというのでしょう。
わたしのまわりを見ても、老後に何千万円もの貯蓄をもっていそうな人はいません。
それでも、みんな普通に生活しています。
困ったときは、役場に相談したり、家族や地域の人に助けてもらったり。
それなりに、難を乗り越える道はあるはずなのです。
「年金だけでは生きていけない」のなら、多くの人が死んでしまいますよね。
老後の生活が不透明なのは、今も昔も同じこと。
いまから20年、30年先のことなんて、誰にもわかりはしないのです。
投資は人それぞれ
自分のお金を投資につぎ込むのも、他のモノに使うのも人それぞれです。
投資もやってよかったと言い切る人もいれば、その反対の人もいるわけです。
儲かっている人を見ると、自分もそうなりたいと思いがち。
でも、投資と名のつく商品は、リスクも伴うということを常に頭に入れておかなければいけないのです。
投資にはそれなりの知識と勉強の継続が必要になります。
「みんながやっているから」とか、「あの人がブログで勧めているから」とかと言って、安易に手を出すものではないと思うのです。
それと、安易に人に勧めるものでもないと思いますけどね。
トラブルの元にもなりかねないです。
ちなみに、証券会社などに勤めている人は、証券外務員資格試験という試験に合格できないと、お客きゃくさまに商品を勧められません。
金融商品の扱いは難しいのです。
まとめ
今は昔と違って、様々なところから情報が得られる便利な時代になりました。
それと同時に、いろいろな所でいろいろな人が、いろいろな事を言っているので、何を信じていいのかわからなくなることがあります。
とはいえ、自分の暮らしに合ったお金との付き合い方は、自分でしか決められません。
人の情報は参考にしつつも、まわりに流されずに、お金と賢く付き合っていきたいものですね。
今日もお読みいただきありがとうございました。
ではまた