実家の母から、「欲しいオモチャがあるから、ネットでも調べてくれないか」と連絡がありました。
知り合いのお宅のお孫さんにでもあげるのかと思いきや、使いたいのは自分たちとのこと。
一体どんなオモチャなのか、話を聞いて、ちょっと驚いてしまいました。
話し相手はロボット人形?
欲しいのは、なんとおしゃべりロボット人形。
「〇〇さんがね、これうちのお父さんにどうかと勧めてくれたの」
「あいさつすると、ちゃんと答えてくれるんだって。色々お話できるらしいのよ」
母の話では、最近この手のオモチャが、お年寄りの間で人気が出ているそうなのです。
良い話し相手になるんだとか。
だからといって、なんでうちの親がそんなオモチャを欲しがるのか、最初は不思議でした。
実家の両親は、70代と80代の夫婦二人くらし。
父の持病のため、病院に週1~2回通院していますが、それ以外は自宅で過ごすことが多いのです。
母はわりと社交的で、同年代のお友達も多いので、電話でおしゃべりしたり、定期的にお友達と会う機会も作っているようですが、問題なのは父の方。
数年前に腰を痛めてからは、外へ出ることがめっきり少なくなってしまいました。
それでも少し前までは、杖があれば、散歩がてら近所のスーパーまで一人でも歩いて行けました。
お店の人や同じように散歩している近所の人と、この時お話しするのが日課でもあり、楽しみでもありました。
しかし、このところは腰の状態が悪く、家の中を歩き回るのが精いっぱいの様子です。
そのため、週1~2回、病院で先生やスタッフの方々とお話をする以外は、母の他に話し相手がいなくなってしまいました。
以前は頻繁におじいちゃん、おばあちゃんに電話していた子供たちも、中学生になってからは、電話することも少なくなりました。
父は耳の聞こえも悪くなっているので、電話での会話は良く聞き取れないようです。
会話がかみ合わないことも多くなり、父の方も、自分からは電話に出たがらなくなってしまいました。
会話する人がいない
最近は、以前にも増して、テレビを見て過ごす日が多くなっているそうです。
腰も痛いので、食事以外は部屋から出たがらないとのこと。
ずっと部屋にこもってばかりいると、運動不足で血流が滞り、腰以外のところの状態も悪くなりかねません。
なるべく部屋から出そうと、母はあれこれ促しているようです。
でも、もっと心配なのは、会話する人がいなくてボケてしまわないか ということ。
毎日単調な暮らしばかりで、刺激が足りなすぎると脳にもよくありません。
これはお年寄りばかりではなく、若い人にも言えることですけどね。(苦笑)
小動物のちから
母のお友達は、最近猫を飼い始めたそうです。
孫たちも大きくなって、祖父母宅を訪れることも少なくなった今は、子猫の存在がとても癒しになるのだとか。
猫の相手をしているだけで、元気が出てくるそうなのです。
うちの実家でも、何か動物を飼えばと勧めてみましたが、室内で犬猫を飼うのは掃除が大変だし、散歩に連れていくこともできないからダメとのこと。
金魚も水槽の掃除や水の入れ替えに、思いの他足腰を使いますから、腰が悪い父には無理なのです。
そんな話を友達としているうちに、このおしゃべりロボットを勧められたそうです。
なんとすでに持っているお友達もいて、結構楽しんでいる様子。
「女の子のお人形と会話してると、自分も赤ちゃん言葉になっちゃうってよ。(笑)」
たぶん母が言っているのは、こんな感じのロボット人形のことなんだと思います。
昔親から言われた言葉
子どもの頃、「そんなの買ってもすぐ飽きちゃうでしょ」と、親に言われたことありませでしたか?
それと全く同じ言葉を、今度は自分が親に言うことになるなんて、なんとも不思議な感じがします。
そうは言っても、「これが年寄夫婦ふたり暮らしの現実なのよ」と言われると、言い返す言葉もありません。
自分の親が年を取って、このような生活を送ることになるなんて、想像すらしたことありませんでした。
どうしたものかと戸惑ってしまいますね。
まとめ
口では手助けしてなんて、絶対求めない母ですが、たぶん色々と大変なのだと思います。
父の世話や、病院への通院、毎日の家事などなど。
70代後半の老体で、全部ひとりでこなさなければならないのですからね。
ロボット人形を買えば済むだけの問題ではないのだと思います。
何となく、母からの遠まわしな SOS であるように感じました。
50代って、「次々と考えなければならない家族の問題が増えるな」と感じる今日この頃です。
今日もお読みいただきありがとうございました。
ではまた