高齢者ドライバーの事故のニュースを良く見聞きするようになりました。
実家の父も、ついに免許を返納することにしました。
免許を返納する理由
父が免許を返納を考え始めたのは、ドクターストップがかかったからでした。
父は心臓病の持病があり、大きな手術を経験したこともあります。
ここ数年症状は安定しているようですが、それでも80歳を超えた高齢のため、いつ何が起こってもおかしくはない状態なのでしょう。
最近では腰の調子もよろしくなく、家の中でも杖を使って移動するようになりました。
車の乗り降りは腰への負担も大きいようで、あちこち痛がりながら座席に乗り込むという状態でした。
こんな感じの状態なので、かかりつけの先生からも常々 運転はやめた方が良い と促されていた様子です。
とはいえ、地方で老夫婦ふたり暮らし。
都会のように、車に頼らなくても他の交通機関が利用できる ような場所ではありません。
車がないとどこにも移動できない ような状態です。
食料品などは、生協の宅配などで頼んでいるようですが、病院への通院などは、歩いていける距離でもなく、バスも何度か乗り継いで行かなければなりません。
月に4~5回は、夫婦で何かしら通院しているのですが、これを全部タクシーで通うとなると、市町村から出る割引券などを使っても、4万くらいの負担になるそうなのです。
そんなこんなで、なかなか免許の返納もできずにいた父が、返納の決断に至った出来事がありました。
父は数年前から車に乗るときは、車内では靴を脱いで素足で運転するようにしていました。
靴を履いていない方がペダルの感覚がつかみやすいとかで。
車に乗るときは履物を脱いで乗って(履物は後ろに置く)、降りるときは履いて外に出るという感じです。
ある日実家の母が大笑いしながらわたしに電話してきたことがありました。
「お父さんが靴を片方どっかに置いてきたんだよ~。まだ見つからないって。あははは」
近所に車で買い物に行った父が、車に乗り込むときに、靴を車に入れ忘れて戻ってきたようです。
それも片方だけ。(苦笑)
その日は何軒か買い物に寄ったようですが、最後に寄ったお店から順番に、置いてきたであろう靴を探しに行きましたが、見つかりませんでした。
お店の人に尋ねても、ゴミ箱などを見てみても見つからなかったそうです。
「犬が持っていったんじゃないの?」
なんて母は笑っていましたが、この事件が父にとっては大きなショックとなったようです。
お医者さんに促されても、すぐに免許を返納する決断がつかなかった父が、この事件のあと、「もう運転はしない」と言い出しました。
父なりに何か深く思うところがあったのでしょうね。
意外にもあっけない理由で免許返納することになりました。
とはいえ、父が運転しなくなったことで、今後は母への負担が増えるわけです。
母も70代後半。
「わたしはまだまだ高齢じゃないから大丈夫!」なんて強がってはいますが、負担が来ているのは確実なのです。
まとめ
高齢者ドライバーが免許を返納しても、それに変わった交通手段がない場所に住んでいる人にとってはつらいことです。
家族や知人が近くに住んでいて、移動の際は手助けできる状況であればいいですが、そうでない人も多いのではないでしょうか。
「タクシーで行けばいいじゃないか」と言われても、毎回移動にタクシーを使っていたら、大変な金額になってしまいますよ!
高齢者って病院通いなどで何かと出かけることも多いのです。
これからどんどん増えていくであろう高齢者の問題。
高齢者ドライバーの問題に限らず、高齢者が利用しやすいサービスが、早くもっと増えて欲しいと切に願う今日このごろです。
今日もお読みいただきありがとうございました。
ではまた